災害などの緊急時に宿屋としてできることを考えてみた。

宿屋オーナーの趣味ブロガー「おっさー」です。
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この記事を書いている数日前、西日本で記録的な大雨となり各地で甚大な被害が出ました(100名以上が亡くなっています)
交通は麻痺し、直接的な被害をまぬがれた方も帰宅が困難になり、駅などで夜を明かしたそうです。
大雨が上がり被害状況をニュースでみると、家が流されたりでしばらく避難所生活を余儀なくされる方も多いでしょう。
私が宿屋を開業する三重県も大雨が多い地域で、今回の西日本の被害も他人事ではありません。
もし、今回の西日本の大雨のような緊急事態が起きた場合、何か宿としてできることはないか?
また宿泊施設を運営する方にも、こんなことができるのでは?と提案をしてみたい。
宿を運営している方、また私のようにこれから経営する方のはぜひ読んでいただきたい!
Contents
ホテルなどの大規模宿泊施設ができること。
まず交通の麻痺などが起きて帰宅困難者が溢れた場合、ほとんどの周辺ホテルはすぐに満室になってしまうでしょう。
客層や構造、システム上、部屋を提供(開放)するということは難しいかもしれません。
実際に今回の西日本豪雨で部屋を無償提供しているホテルを見つけることはできませんでした(もしあったら情報お願いします)
まず考えられる「出来る事」が、広間などのイベントスペースがある施設の場合、そこを開放すること。
少なくても夏場のこの時期であれば、人は枕的な物と薄いタオルケットで十分眠れます。
もちろん公共施設のように長期は難しいでしょう。
しかし一週間でも、3日間でも、いや1日だってやらないよりはマシなはずです。
次に食事を提供しているホテルであれば、確実に余る食材があるはずです。
それを被災者や帰宅困難者に提供する(おにぎりや、サンドイッチのような物だとベスト)
そして、大浴場などの入浴施設があればそこを開放する。
これは最も簡単に出来ることだと思います。
緊急時はいろんなホテルが入浴施設を開放する、そんなことが当たり前になればいいなぁ…夏は1日でもシャワー浴びないときついですもん。
旅館やゲストハウスなどの中小規模宿泊施設ができること。
基本的には先ほどのホテルと同じです。
入浴施設の開放→設備さえあれば、どの施設も可能。
食事の提供→食材さえあれば、どの施設も可能。
イベントスペース等の開放→設備があり、空きがあれば可能。
違うのは部屋の提供についてです(小さな規模だからできること)
まず有償で行う場合は、個室をドミトリー化します。
個室で泊まっているゲストの協力を得てドミトリー化(相部屋)しキャパを増やし、少しでも寝床難民を減らす。
これって実は昭和の時代ではポピュラーなことで、別に緊急時でなくとも普通に行われていた事なんです。
セキュリティの対策さえあれば難しくないはずです。
次に無償で提供する場合。
ゲストハウスや旅館に泊まる方は基本的に観光客ですよね?
ということは、災害などが起きた場合は真っ先に帰りたい(被災地から出たい)またこの先の予約客は現地が復旧しなければキャンセルしてくるはず。
結局、残念ではありますが稼動状態はスカスカになるので、できることなら無償提供をしていただきたい!
思い切って無償提供した場合、復旧した後に素晴らしいことが起きるでしょう(詳しくは事項で)
呉市のゲストハウス「クトマレ」さんの活動に強く賛同する!
今回の豪雨で最も多くの方が亡くなった広島県。
呉市も大きな被害が出ました。

とても大変な状況だと思いますが、そんな呉市にあるゲストハウス「クトマレ」さんの活動が素晴らしかったので紹介します。
本日大雨により、呉市内より帰宅困難な方はご連絡ください。
シャワーあります。
ベッドで休めます。
JR海田市〜岩国間運転中止になりました。
サイトからの予約では、通常料金になります。
電話にて問い合わせください。
クリーニング代のみで泊まってもらえるよう対応します。
090-4103-1247— 呉ゲストハウス「クトマレ」 (@kutomare) 2018年7月6日
↑は大雨で電車が止まり、帰宅困難者が続出した7/6日のツイートです。クリーニング代のみで宿泊できるようにされていました。
本日も泊まれるように準備しています。洗濯機あります。今のところ断水していません。シャワーも浴びれます。ベッドで寝れます。ソフトバンクにつき電話繋がらない可能性があります。LINE、TwitterのリプやDMにて連絡ください。クリーニング代(1000円)のみ頂きます。カップ麺、米、缶詰あります。
— 呉ゲストハウス「クトマレ」 (@kutomare) 2018年7月7日
↑翌日7/7のツイートです。寝る場所、シャワー、食料があること。¥1000円(クリーニング代)で落ち着ける場所がある素晴らしさ。
帰宅困難者の方は大分少なくなってきました。
復旧活動をされてる方に向けて、ゲストハウスを解放しようかと考えているのですが、需要はありますか?— 呉ゲストハウス「クトマレ」 (@kutomare) 2018年7月9日
↑本日7/8のツイートです。外からの帰宅困難者は少なくなってきたので、復旧活動をされる方向けに宿を開放するようです。
これこそ前項までに書いた『できること』の理想!!
ご本人は売名のためだと謙遜されていますが、そんな浅い志でできることでは絶対にないです。
その証拠に、「クトマレ」さんの活動に賛同される人がたくさんいました(ツイートのリプやリツイートをご覧くださいね)
宿屋は緊急時のセーフティネットに。
ここまで、西日本の豪雨災害を例に宿屋にできること、そして素晴らしい活動をしている「クトマレ」さんについて書いてきました。
しかし、このような活動をされている宿は極々一部です(宿自体が被災したこともあるかもしれませんが)
宿屋というのは、普通の住宅に比べると広く、かつ頑丈にできています。セーフティネットになり得る。
運営する側が少し目先の営利を捨てて、困っている方の助けになることができないか?今回の豪雨で真剣に考えました。
最後に、私の大好きな漫画「ワンピース」の中でサンジという料理人のキャラがいるのですが、彼の名言があるので紹介します。
『腹をすかせた奴にメシを食わせるまでは、コックとしての俺の正義』
これを宿屋に当てはめてみると「寝る場所のない奴を泊めるまでは、宿屋としての俺の正義」
私は、「クトマレ」さんやサンジのようになります!
被災地の1日も早い復旧と、亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
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