メジャーリーグがお金があれば勝てるほど単純じゃない理由「戦力均衡化システム」を解説します。

メジャーリーグがお金があれば勝てるほど単純じゃない理由「戦力均衡化システム」を解説します。

宿屋開業を目指していて、MLB大好き(ヤンキースファン)な趣味ブロガー「おっさー」です。→https://twitter.com/ossaa_log

NFLスーパーボウルが終わり、これからは野球の季節がやってきます。

シーズン開幕までまだ少し期間がありますので、少しずつMLBの魅力を書いていきます。

まず今回は、戦力均衡化についてです。

『どうせドジャースとかヤンキースのようなお金持ち球団が強いんでしょう?』と思われるかもしれませんが(弱くはないですが)、MLBはお金があれば勝てるほど単純な仕組みになっていないのです。

戦力を均衡化した方がスポーツは面白い。

かつての日本プロ野球の巨人9連覇のように『圧倒的に強いチームの圧倒的勝利を見たい!』

という意見があるのも事実ですが、基本的に大衆の心理は近い戦力同士が、僅差で戦う方が好まれるというデータがあります。

その証拠が興行収入で大成功しているアメリカの4大メジャースポーツです。

今回はMLB(野球)に絞って書いていますが、NFLはじめ他の機構でもチームの戦力均衡化のシステムができています。

ではMLBは、どのようにして戦力均衡化をしているのでしょう?

次の項から説明していきます。

MLBには贅沢税という制度がある。

MLBにはロースターと呼ばれる選手の登録枠があります。

メジャーリーグの試合に出場できる25人をアクティブロースターと呼びます。各チームのアクティブロースター25人に入れれば、晴れてメジャーリーグのベンチに入れて試合に出場できるのです。

アクティブロースターの他に各チーム+15人を一軍候補生として登録します。この15名の選手はマイナーで試合をしながらメジャーからのお呼びがかかるのを待つことになります(メジャーに昇格させるにはいろんなルールがあるんですが、それはまた違う機会に)

アクティブロースター25人+一軍候補生15人=40人

この40人の選手の合計年棒が、球団にとってはとても大事な数字になります。

それは、40人の合計年棒が1億9700万ドル(この記事を書いてる日のレートで約214億円)をオーバーしてしまうと、贅沢税という機構に支払う税金の課税対象になるからです。

ちなみに税率は1億9700万ドルを超過した金額に対して、1年目20%→2年目30%→3年目以降50%と増えていきます(4年目以降はずっと50%)

例えば年棒総額が300億円のチームがあると仮定すると、214億円を超えた86億円が課税対象となり、1年目17.2億円→2年目25.8億円→3年目43億円という感じです。

ただし、1度でも贅沢税の課税対象にならない年があれば税率はリセットされます。

2017年シーズンで贅沢税の対象になったチームとその支払額は、下記の通りです。

○ロサンゼルス・ドジャース(3620万ドル)
○ニューヨーク・ヤンキース(1570万ドル)
○サンフランシスコ・ジャイアンツ(410万ドル)
○デトロイト・タイガース(370万ドル)
○ワシントン・ナショナルズ(157万ドル)

ドジャースの支払っている税金はなんと40億円近いです!エンゼルスのM・トラウトの年棒より高い…。

MLB最高の選手(主観)M・トラウトの年棒は33億ドル以上!

そして興味深いのが、この年棒総額が高い上位5チームの中にワールドチャンピオンがいないということです(タイガース、ジャイアンツはプレーオフにも出れず)

大物選手を資金力にものを言わせ獲得しすぎてしまうと、この贅沢税でごっそり持っていかれ後々のチーム構成に苦労します。

ドジャースやヤンキースも贅沢税の対象にならないように、現在チーム改革をしています(2018年のヤンキースは、このままだと課税対象から外れそう)

この贅沢税システムがMLB戦力均衡化の①です。

完全ウェーバー制ドラフト。

これはご存知の方も多いと思いますが、前年に成績が悪かったチーム順にドラフト指名ができることです。

なのでドラフト指名でチーム同士が被ることがありません。

前年弱かったチームは、チームの足りない(弱点)ポジションの目玉の選手を優先的に指名できるので、戦力均衡化に非常に合理的なシステムです。

NPBはいつまでドラ1の抽選やるんですかね?…。

2017年の全体1位はロイス・ルイス(ミネソタ・ツインズ)

そして、このドラフト指名順はトレードの材料にも使われることもあります。

Aチーム(現状必要のない選手)⇔Bチーム(ドラフト指名権)

のようなイメージですね。

この完全ウェーバー制ドラフトが、MLB戦力均衡化の②です。

まとめ。

このように①贅沢税制度と②完全ウェーバー制ドラフト+③収益分配システムが、MLB戦力均衡化政策のキモなのです。

(③の収益分配システムについてはメジャーリーガーの年棒の話の記事で紹介しています)

他にも『ルールファイブドラフト』などの戦力均衡化政策もありますが、私は①②③のシステムの貢献度が大きいと感じています。

これにより、どのようなことが起きたか?

A・必ずしも金持ち球団が優勝するわけじゃなくなった。

2017年シーズンのワールドチャンピオンはヒューストン・アストロズでした。

アストロズの2017シーズンの年棒総額は約140億ドルで30チーム中19位と、どちらかと言えばお金持ち球団ではありません。

そして30チーム中最も年棒総額が安かったミルウォーキー・ブルワーズも最後まで地区優勝争いをしました。

B・ワールドシリーズ連覇したチームがずっと出ていない。

2001年以降はワールドシリーズを連覇したチームはありません。

このA・Bの結果を見てもMLBの戦力均衡化はうまく機能していることがわかります。

要はGMを中心とするフロント陣がうまくチーム構成し、コーチ陣がしっかりと選手を育成していかないと勝てない。

現在のMLBはそのようなシステムになっているのです。

メジャーリーグってすごいでしょう!だから私はメジャーが大好きです。

2018シーズン開幕は日本時間3/30ですのでまだ少し先ですが、始まったら野球ファン・スポーツファンの方はぜひ注目してほしいです。







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