廃線直前のJR三江線の全駅を自転車で巡ってきた。もう二度と見ることのできないシーンの動画付!

宿屋開業準備中で、旅サイクリストで、鉄道も好きな「おっさー」です。→https://twitter.com/ossaa_log
皆さんは鉄道好きですか? 私は、実は結構鉄道が好きです。
普段乗ることができる乗り物でランクをつけるとしたら、自転車>鉄道>船>飛行機>車ですw
そんなソフ鉄(ソフト鉄道ファン)である私にとって、ずっと気になっていたことがありました。
それはJR三江線という路線が2018年の3月末をもって廃線…つまりこの世から姿を消してしまうことが決定していたのです。
『ぜひ廃線前に全部の駅を見てみたい』
そこで、自転車を使い廃線直前のJR三江線の全駅を巡り、記録してきました!(三次→江津)
もう二度と見ることのできないシーンも多いはずですので、鉄道ファンだけでなく三江線に関わった全ての人に見ていただけたらと思います。
JR三江線とはどんな路線だったの?
広島県の三次市(みよし)と島根県の江津市を結ぶ路線で、駅数は起点と終点を含め35駅。路線距離は108kmにも及ぶ。
基本的に「江ノ川」沿いを線路が走る。
廃線前の輸送密度は全国の路線で最も低い83人で、これは全国で一番輸送密度の高いJR山手線(100万人超え)の数字と比べると1/12500と超ローカル路線。
圧倒的な赤字路線で、廃線は時間の問題と言われ続けていたがよくここまでもってくれた。頑張った!
では、次の項からはその三江線の駅を見ていきましょうスタートは広島県側の三次駅です。
起点・三次→広島県内の駅。
2018年3月26日(月)AM6:00。私は広島県の三次駅という場所にいました。
ここからJR三江線の全駅を自転車で巡る旅が始まります。
NO.1 三次駅
この旅のスタート地点であるJR三次駅前です(1日の平均利用者数595人)
広島県の山間部ですが、さすがに芸備線・福塩線・三江線(廃線前)と3路線が乗り入れるターミナル駅だけに、大きな駅で設備も綺麗でした。
待合室にはセブンイレブンもありました。

待合室に入ってびっくり! 1日5本しかこの三次駅から発車しないの?!!
そう、上下線合わせて1日10本しか走っていない…それが三江線でした(しかも既に始発は出ていたので、列車を見るチャンスは9回)

NO.2 尾関山駅
ここは三次駅を出てからほど近く、まだ周りには民家なども多い場所でした(1日の平均利用者数5人)
しかし利用客数はすでに5人って…。
NO.3 粟屋駅
この粟屋駅に向かうため国道54号から外れると、一気に民家は少なくなり風景は江ノ川と線路だけになりました。
この粟屋駅は待合室的な設備もなく、とても寂しいげな雰囲気(1日の平均利用者数0人)0人かぁ…。
N0.4 長谷駅
この長谷駅は全国有数の「秘境駅」として有名で、三江線の駅の中でもとりわけ訪れてみたかった駅です(1日の平均利用者数0人)
ホームの目の前は山がそびえ後ろは江ノ川、周辺には民家等はなさそう…ホームが高い位置にあるので景色が素晴らしい!
ね、素晴らしいでしょう?
朝靄もあって、まるで天国にきてしまったような幻想的な雰囲気でした!

時刻表を見て唖然…上下線合わせて10本しかない三江線でも半分は通過しちゃうって、どんだけなんだw
この駅を鉄道で訪れるのが極めて難しい理由がわかりました。
ここで降りてしまうと、しばらくはどうしようもないですもんね、歩く以外は。
長谷駅は動画撮影したので↓をぜひご覧ください。
NO.5 船佐駅
この船佐駅は駅舎前が広場になっていて、コミニティバスのバス停があった(1日の平均利用者数2人)
NO.6 所木駅
簡素なベンチとホームがあるだけの駅でした(1日の平均利用者数2人)
NO.7 信木駅
さっきの駅のデジャヴかw 同じような作りの駅(1日の平均利用者数2人)
駅舎(待合室)が小さくて、危うくスルーしそうになった駅でした。
NO.8 式敷駅
この式敷駅の周辺には民家がそこそこあり、目の前には商店もありました(1日の平均利用者数6人)
N0.9 香淀駅
かわいいログハウス風の駅舎がありました(1日の平均利用者数7人)
この香淀駅と次の作木口駅の間(国道沿い)に「カヌー公園作木」なる施設があり、キャンプ施設やコテージ、レストランなどがあり、私も公園ベンチを借りて最初の休憩をしました。
三江線が走っていた際は川を挟んで列車が通ると見えるので、撮り鉄の人たちには人気のスポットだったようです。

列車が来れば最高でした。
NO.10 作木口駅
江ノ川を渡る橋が駅の目の前で、国道にアクセスしやすい駅(1日の平均利用者数7人)
NO.11 江平駅
すぐ横が牛舎なので、とても香ばしい駅でした(1日の平均利用者数1人)
この江平駅を出たところでついに、初の列車と遭遇!
3両もあるのに、見た感じ座れてない人もいるw
NO.12 口羽駅
立派な駅舎がある駅でした。電飾の線がありますね、夜はイルミネーションでもやっているのかな?(1日の平均利用者数3人)
駅前には綺麗な公衆トイレがあり、地元の方でしょうか?掃除をされていて気持ちのいい挨拶をしてくれました。
ここ厳密には島根県なんですが、次の伊賀和志駅は再び広島県なので、広島県の部に入れさせてもらいました。
NO.13 伊賀和志駅
ここは目の前に団地っぽい建物があった(1日の平均的利用者数0人)
広島県ラストの駅なのに利用者0人かぁ。
広島と島根県境→石見川本駅まで。
旅はここから島根県に入りました。いきなりメインイベントとも言えるあの駅からです!
NO.14 宇都井駅
でました!宇都井駅です!(1日の平均利用者数1人)
ホームおよび待合室は地上20mの高さにあり、高さとしては日本一である。
しかし、エレベーターなどの昇降機設備はなく、ホームに上がるには116段の階段を上がらなければならない。
この特異な構造から「天空の駅」と呼ばれることもあり、テレビ等でも取り上げられた。
∼ウィキペディアより
高い場所が大好きな私としては、一番期待値の高かった駅です。
ホームからの眺めは最高でした!
ホームへ向かうまでの(タワー内部)の映像を撮影しましたので↓をご覧ください。
この駅は廃線後もなにか活用して残せないですかねぇ(例えば高千穂のあまてらす鉄道のようなアトラクションとか)
このような構造をした駅がなくなってしまうなんて、なんか勿体無い…。
NO.15 石見都賀駅
ここもなかなか眺めのいい駅でした(1日平均利用者数3人)
しかしホームは見えるけど、どこから入ればいいのかわからず周囲をグルグル回ってやっと入り口発見。
暗かったら、きっと発見できなかかったでしょうw
NO.16 石見松原駅
ここは街道から獣道みたいな道を登った先にありました(1日平均利用者数2人)
暗かったら、相当に怖そうな駅でした。
NO.17 潮駅
近くには潮温泉という小さな温泉郷がある駅です(1日平均利用者数1人)
ホームからは雄大な江ノ川が美しく見え雰囲気のがよかったです(アイキャッチ画像もこの駅のホームから撮影した↓の写真で作りました)
NO.18 沢谷駅
この沢谷駅だけ江ノ川から大きく外れた場所にあります(1日の平均利用者数1人)
ここに行くにはグルっと迂回しないとなので内心『面倒だなぁ』と思いつつ到着しましたが、その迂回したおかげで良いことが!
ちょうどホームに列車が入ってくる時間じゃないですか!
↓ホームに入ってくる三江線の動画撮影に成功しました(満員電車状態)
NO.19 浜原駅
この駅が終点になる列車もあるくらいですので立派な駅舎でした(1日の平均利用者数6人)
でも無人駅w
NO.20 粕淵駅
商工会と駅舎の合築のため立派な建物!(1日の平均利用者数23人)
ついに利用者数の平均が2桁の駅があった。そしてこの粕淵駅の近くにはスタートしてから一切なかったコンビニ(ローソン)も!
久々の街でした。
NO.21 明塚駅
田んぼのあぜ道に駅があり、自転車を立てかける物がなかった(1日の平均利用者数2人)
NO.22 石見簗瀬駅
ここは駅舎は普通でしたが、トイレが強力でした(1日の平均利用者数8人)
壁に向かってオシッコするスタイルのトイレ。まだこういう場所には残っているんだなぁ。
若い方は信じられないかもしれませんが、私が子供の頃は営団地下鉄(今の東京メトロ)のトイレもこのようなスタイルのトイレ結構あったんです。
NO.23 乙原駅
駅前は広い駐車スペースがありました(1日の平均利用者数4人)
NO.24 竹駅
なんでネーミングが『竹』なのだろう?(1日の平均利用者数4人)
NO.25 木路原駅
駅へ続くアプローチが長くて自転車を上まで持っていけないw(1日の平均利用者数1人)
NO.26 石見川本駅
おぉ、これまでで最も大きそうな駅です(1日の平均利用者数22人)この規模の駅でも22人しか普段は利用しないのかぁ…。
あ、でも駅員さんらしき人や切符を売る窓口もありますよ!
そしてこの駅では、1日に上下線合わせて10本しかない三江線がすれ違う激レアシーンを見ることができました!
すれ違う三江線の映像を↓でご覧ください。
石見川本駅→終点・江津。
いよいよ三江線の全駅巡りも佳境になってきました。
NO.27 因原駅
運送会社の事務所が駅舎に入っていました(1日の平均利用者数7人)
ここの駅の目の前に、道の駅「インフォメーションセンター川本」がありましたが定休日でしたw
NO.28 鹿賀駅
田園地帯にポツンとありました(1日の平均利用者数2人)
ここの待合室前には手書きの横断幕がかけてあって、なんだかホッコリしました。
NO.29 石見川越駅
ここはなかなか立派な駅舎でした(1日の平均利用者数7人)
NO.30 田津駅
なんか石垣に上にホームがあり(1日の平均利用者数7人)、上へ行く階段のところには…
『駅長か!』と突っ込みたくなる場所にワンちゃんが陣取ってますw
NO.31 川戸駅
この駅の周辺には土産店や美術館などもあり、けっこう開けた印象でした(1日の平均利用者数32人)
駅舎内では三江線の思い出作品展もやっていて地元では大切な場所だったんだろうなぁ。
三江線お見送りイベントとして何本かの列車が発車する際に、地元の人々が列車をお見送りすることもしているようでした。
NO.32川平駅
味のある駅舎という点では、三江線で一番好きな駅でした(1日の平均利用者数7人)
建具も木製のまま残っていて、すごくいい!
NO.33 千金駅
ここは、なかなか到着するのに苦戦しました(1日の平均利用者数0人)
街道から駅へ続く道がグーグルマップで見てもなく、
この道を進んでみたら着いた(ただし軽トラの先が砂利道なので徒歩で)
そして、おそらく見ることが最後になるであろう列車が私の横を通り過ぎて行きました。
「ありがとう三江線」乗ったことないけど!
NO.34 江津本町駅
「どこが本町やねん」と突っ込んでしまいそうな雰囲気の駅でした(1日の平均利用者数0人)
ついに日本海だー!
間もなくこの三江線、全駅巡りも終わます…長かったw
NO.35 江津駅
ゴーーーーール!!(1日の平均利用者数269人)
三江線の全35駅を自転車ですが完全制覇しました。
おわりに。
1987年のJR発足以来、100kmを超える路線が廃線になったのは本州ではこの三江線が初めてだそうです。
そうだよなぁ、100kmの路線距離って東海道線で例えると東京〜熱海くらい。
凄まじい長さの距離の線路がいきなり使われなくなってしまうんです。
今回、初めて廃線間近の路線の駅を巡り、その周辺の状況を見ることができました。
江ノ川の美しい景色に、ゆったりとした雰囲気、そして”宇都井”駅のような特異な構造の駅。
『この路線がなくなくってしまうなんて勿体無い』
この土地に、縁もゆかりもない、三江線のビジョンなんて考えたこともない、部外者の私が言うのも無責任ですけれど…。
残念なことですが、三江線のような運命をたどる地方交通路線はこれからどんどん増えると思います。
地方の人口は減る一方なので輸送客数のパイは当然減り、自動車の道路の整備や自動運転などの技術が発展すれば、鉄道を利用する意味そのものがクエスチョンになる(免許が取れない生徒年代を除き)
もし本気で三江線のような赤字路線を存続させたいと願うなら、輸送(移動)手段という経営意識から→ここに来て、乗らないと絶対に体験できない何か?を売っていかないと…。
それには沿線の各都道府県、鉄道会社、沿線の企業や住民、みんなが取り組んでいかないといけなくて、大変なんですけれどね。
一鉄道好きとして、少しでも三江線のような魅力的な路線を無くしてほしくない願いからでした。

今回の記事はこれで以上になります。
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